明治9年に天竜製糸所として創業した一山力林製糸所の初代林国蔵の住宅。明治40年秋にはほぼ完成した。林国蔵は開明社の経営にも参画し、製糸の品質管理システムを構築、日本の製糸業発展の基を築いた。住宅は主屋と離れの座敷、茶室、洋館に別れ、主屋の南側には繭倉庫の形式をとどめる土蔵が並ぶ。西洋装飾の芸術、「幻の金唐紙」と呼ばれる壁紙が張り巡らされている和室や欄間彫刻の希少価値は高い。